恐怖症とは 克服、完治するための一歩
恐怖症についてお役に立つ記事がありましたので、ご紹介させてもらいます。
恐怖症とは、英語で「フォビア」とも呼ばれ、特定の、あるもの・ことに対して、他人からはまったく判らない理由から、心理学的に、また生理学的に異常な反応を示す症状のことで、精神疾患の一種といえます。
恐怖症は、次の3種類に分類できます。
・単一恐怖
・社会恐怖
・広場恐怖
このうち、「単一恐怖」とは、ある特定のものに対する恐怖症です。
「社会恐怖」とは、社会や人前に出ることに対する恐怖症です。
「広場恐怖」とは、外へ出ることに対する恐怖症です。
生まれてからヘビを見せたことのないサルは、ヘビをこわがりません。しかし、ビデオでヘビをこわがっているサルを見せると、ヘビを恐怖するようになります。このようにして、学習によって、本能をもとに、恐怖というものが形作られていくと考えられています。
一方で、恐怖心は生き物にとって必要なものでもあります。例えば、火をこわがらなければ、やけどを負ってしまうかもしれません。また、天敵を見て恐怖することで、すばやく逃げることが出来ます。恐怖は、生き物の、そしてもちろん人類にとっての防御システムともいうことが出来ます。
恐怖症とは、この回路が誤作動して、暴走している状態だといえるでしょう。
恐怖症はどうして起きるのか?
恐怖症はどうして起きるのか、ということは、まず、ある特定のものごとから、強い恐怖を覚え、そのものに恐怖症となってしまうケースがあります。その一方で、原因のはっきりしない恐怖症もあります。
それらの恐怖症に関連して、まず原因としてあげられるのは、その人の持って生まれた性格や、その人が育った環境によるものです。
恐怖症の人には、恐怖症になる以前から、神経が細やかで、小さなことにこだわりがあったり、こわがりで恐怖心を持ちやすいといった性格的な傾向がみられます。
また、恐怖症の人には、一定の考え方のパターンがあります。例えば、あるものごとに対して、否定的にとらえ、「どうせ自分にはダメなんだ」「無理なんだ」「こわいんだ」と考えがちです。それが自分の中でふくらんで、さらに恐怖を増して、恐怖症になるのだとも言えるでしょう。
恐怖症の種類がさまざまなように、恐怖症の原因もその人それぞれです。また、医学的な見地からも、こころの病気のすべてが判っているとは言えません。恐怖症がどうして起きるのか、という問いには、まだまだ研究が待たれる部分でしょう。
また、その理由がもし判れば、恐怖症の早期の解決にもつながるでしょう。
恐怖症は改善できるのか?
結論からいえば、必ず改善できます。
恐怖症は、精神疾患のひとつですから、正しい治療を受け、自らが改善したいと強く思い、それに対してあせらず、正しく行動することで、確実に改善できます。
苦手な状況や対象がはっきりしていれば、比較的それに対処しやすいのですが、そうではなく、恐怖症の原因が判らない時には、一時的に薬やトレーニングの力を借りることで改善できます。
精神精神科・心療内科では、「薬物治療」と、「認知行動療法」(別名「心理療法」ともいいます)の両面から治療がなされます。
薬物治療は、抗うつ剤の一種でSSRIと呼ばれる薬や、抗不安剤、β遮断薬などを使い、不安や恐怖をやわらげます。これらの薬は、危険なものではなく、副作用も少なく、依存して止められなくなるようなこともありません。
認知行動療法は、なぜ不安や恐怖を感じるのかを知り、同時に実際に回避できた状況を思い出し、不安をコントロールする方法を学ぶものです。
現在、恐怖症にもっとも効果があるとされているのは、認知行動療法のひとつ「森田療法」です。これは、時間をかけて自分を見つめなおし、それを通じて「あるがままの自分」を受け入れることを目的とした治療法です。
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